賑わい創研

Bリーグ開幕。スポーツ観戦の現在地

 試合終了の合図に、勝利の喜びを噛み締めた。週末の夜、久々のバスケの試合。ああ、こんな日常があったと思い出すと同時に、何かいつもと違う感覚があった。

 10月2日、Bリーグが開幕した。屋内で、かつ選手同士が接触を伴うスポーツということもあり、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、昨季はシーズン途中で打ち切りとなっていた。今期は、選手全員へのPCR検査、会場での予防対策ガイドラインを整備するなど万全を期し、1カ月ほど遅れての開催となった。
 B2リーグ、アースフレンズ東京Z VS 越谷アルファーズ の試合は、大田区総合体育館で行われた。オープニングセレモニーが始まっても、サーモグラフィーによる検温のため会場入口にはまだ長い列ができていた。席は全席指定で、これは万一感染者が出たときに周囲にいた人に連絡できるようにするためである。席の間隔も、前後左右1~2席開けるという徹底ぶりで、売店はグッズのみ、食べ物とアルコールの提供はない。4,000人ほど収容できるアリーナだが、1,000人の人数制限をしており、この日の客数は948名だった。
 観戦方法も、「新たな様式」になっている。応援は声を出すことはできず、音楽に合わせて拍手やジェスチャーを送る。会場にはいつものDJブースのほかに、オルガンの生演奏も導入し、盛り上げるための工夫も見られた。
 試合は最後まで1点を争うまれにみる好ゲームになり、終了0.4秒前に、ホームチームであるアースフレンズ東京Zが劇的な逆転勝利を挙げた。終盤の攻防でのアリーナ全体を包む緊張感。そのギリギリ精神状態の中で見せる選手のダイナミックなプレイに観客は惜しみない称賛を送っていた。
 いつもと違う、新しい生活様式でのスタートとなり、喜びを爆発させるハイタッチや声がけなどができない。観客も少ない。しかし、なぜか、私は以前の観戦時よりも、選手に対しての近さ・一体感を感じていた。それは一緒にこの場、時間と空間を共有している事自体への「敬意」であったように思う。試合終了後のセレモニーでは、選手・監督・スポンサーから今日この場に来てくれた観客への感謝が述べられた。選手たちが退場でコートを一周する時、観客の一人一人の顔を確認するかようにゆっくりと歩いたのが印象的だった。
 リアルには空気がある。その空気を介した空間はウイルスを感染させるかもしれないが、人が人を応援する気持ちや思いや熱意を、もっと爆発的に拡散させることができる。
 ウイルスと共存しつつ、「リアルメリット」を追求するバスケットボールチーム・スタッフの皆様の姿勢とそれに応える観客のマナーに感激した特別な夜となった。

NIGIWAI LABO事務局 石川 孝

試合中、3ポイントゴール通算1,000本を達成した岡田 優介選手。おめでとうございます。
アースフレンズ東京Z選手・スタッフの皆様
選手退場。通常はここで選手とのハイタッチなどコミュニケーションの場となる。