賑わい創研

人と自然をつなぐ「ラ コリーナ近江八幡」訪問記

“La Collina”(ラ コリーナ)とは、イタリア語で「丘」を指します。
施設を監修した、世界的建築家ミケーレ・デ・ルッキさんが名付けました。

ラ コリーナ道案内板
近江八幡日牟禮ヴィレッジから徒歩15分ほど。県道沿いに看板が見えます。
ラ コリーナ入口
ラ コリーナ入口。この先に待ち受けるのは……
メインショップ
まるでジブリ映画の中にいるよう! 背景の八幡山とつながるようにデザインされたメインショップ。

ここは、滋賀県内はじめ西日本を中心に東京まで広く和洋菓子店を展開する、たねやグループのフラッグシップ店。
ファンタジーの世界に迷い込んだような雰囲気を放つ自然と一体化した建物群は、建築家の藤森照信さんによるデザイン。建物も、通路も、屋根が芝生で覆い尽くされています。このラ コリーナの建物は「草屋根」と名付けられた藤森さんの建築作品で、日本芸術院賞を受賞しています。

柿傘
メインショップ手前の「柿傘」。お菓子の原点といわれる干し柿にちなみ、屋根には柿の木が植えられている。
一角ではミストが噴霧され、さらに幻想的なムード。
土塔
まさにジブリ作品に出てきそうなオブジェ「土塔(どとう)」。大人も子どもも扉を開け閉めして楽しんでいた。

ショップに入ると、たくさんのお客さんが訪れていました。
人気商品のバームクーヘンコーナーには長蛇の列。さすが「滋賀観光人気ナンバーワン」といわれる施設です。
メインショップ1階では和・洋菓子を販売、2階には焼きたてのバームクーヘンが食べられるカフェが併設されています。さらに他棟には、焼きたてのカステラを提供するカフェ、フードコートなどもあり、目移りしてばかりです。

メインショップ天井
メインショップ天井に散りばめられた消音用の炭。ラ コリーナのシンボルであるアリにも見えて面白い。
菓子木型
和菓子売場にはお菓子づくりに使用していた木型がびっしり。木型職人が減った現在では、貴重な道具となった。
フードガレージ
ロンドンで実際に使われていたバスを据えた「フードガレージ」。ここでは洋菓子を販売している。

敷地内には、たねやグループの本社もあります。
「ラ コリーナをたくさんの人が集う場所にしたい」「お客さまに新しい価値観を見いだして欲しい」との思いから、2016年にここに移転したそうです。
敷地の中心には大きな田んぼがあり、スタッフが毎年、田植えと稲刈りを行うとのこと。自分たちで体を動かし農作物をつくることで、お菓子作りの基本である「原材料を大切にする」という姿勢を身につけるためだといいます。

たねやグループ本社
施設の中心部に広がる田んぼの向こうに見えるのが、たねやグループ本社棟。
本社から眺めた景色
本社から眺めた施設の様子。敷地面積3万6000坪は、東京ドーム2.5個分という広さ。

ラ コリーナは以前から写真で拝見していたものの、実物の迫力は想像以上。
当日はお天気に恵まれ、空の青と緑のコントラストがとても美しく、本当に感動的な時間を過ごさせていただきました。
たねやグループCEOの山本さまはじめ、ご対応いただいたスタッフの方々、ありがとうございました。

文と写真:児玉 菜穂子