賑わい創研

第33回 NIGIWAI LABO セミナー レポート

第33回 NIGIWAI LABO

2023年4月4日に開催したNIGIWAI LABOセミナーは、地域に愛される「開かれた寺」を目指し改革を続ける浄土真宗本願寺派築地本願寺を会場に行われました。

荘厳でエキゾチックな外観が特徴的な築地本願寺も、かつては木造の建物でした。関東大震災のとき火災に遭い、再建されたのがいまの姿です。特徴的なのは外観にとどまらず、本堂は土足の椅子席、照明はシャンデリア。これらは、地域においてマイノリティーゆえに、個性を出すための意味もあったそうです。

築地本願寺外観


最初にご登壇してくださったのは、築地本願寺の責任役員であり、副宗務長の東森尚人さまです。
人口減少や無宗教化が進み、全国の寺院が存続の危機を迎えている現在。その中で生き残るには、「まずは地域に愛される寺でなければならない」と東森さまは言います。
その一環として、誰もが気軽に訪れることができるカフェを敷地内に併設したところ、連日たくさんのお客さんが足を運ぶ人気店となりました。
カフェのほかにも、境内や建物内をイベントスペースとして貸し出したり、DXの推進でお坊さんの働き方改革を行うなど、築地本願寺はさまざまな活動で注目を浴びています。こうした事例について、法話のように軽妙な語り口でお話しくださいました。

東森尚人氏


続いてご登壇くださったのは、築地本願寺に併設したカフェを運営する株式会社プロントコーポレーション代表取締役社長の杉山和弘さま。
さまざまな業態の飲食店を全国で展開するプロントコーポレーションが築地本願寺に合わせて提案したのは、自社で展開していた和カフェでした。「築地本願寺カフェ Tsumugi (ツムギ)」の名でオープンしたカフェでは、築地本願寺ならではのメニューを考案。中でも築地の食材を取り入れた朝食メニュー「18品の朝ごはん」が大ヒットとなり、これまで多くのメディアで取り上げられています。
カフェがオープンして6年目ですが、いまでもなかなか予約が取れない人気ぶりです。カフェによって、築地本願寺がより親しみのある存在となったことは間違いありません。

杉山和弘氏


セミナーは厳かな空気が漂う、本堂隣の講堂をお借りして行いました。仏様を目の前にお話を伺うという、NIGIWAI LABOでは触れる機会のない貴重な体験です。
持続可能な社会の実現には、あらゆる分野の改革が必要であることを改めて感じました。

アフタートーク


会場でご参加の皆さま、ならびにオンラインで視聴された皆さま、誠にありがとうございました。