賑わい創研

第43回 NIGIWAI LABO セミナー レポート

43th 中西佳代子氏

まちづくりにおいて、そこで暮らす住民が自ら考え「主役」となることは、地域の魅力を高める上でとても重要です。第43回 NIGIWAI LABO(会場:富士ソフトビル/東京・秋葉原)は、これまで数々の地域戦略に携わってきた株式会社ランドスケープ アンド パートナーシップの代表取締役を務める中西佳代子さまを講師に迎え、神奈川県湯河原町の再生を事例に、地域に合った方向性の決め方や住民を巻き込んで「主役」にする手法についてお話しいただきました。

バブル崩壊による客数の減少で、それまでにぎわっていた全国各地の温泉地は軒並み衰退。湯河原もその一つで、隣接するの箱根、熱海が時代とともによみがえりを見せる中、湯河原は閉塞感から抜け出せずにいました。そうした湯河原の再生に中西さまが関わることになったのは2012年のこと。以来、現在も継続して湯河原温泉場のまちづくりに取り組んでいます。

43th セミナーの様子

中西さまが大切にしているのは、最初に地域の成り立ちや変遷を徹底的に調べること。その上で、住民と何度も話し合いを重ね、住民と一緒に今後のまちの方向性を決めると言います。その結果、湯河原が目指したのは「知的な活動を通じて、明日への英気を養う温泉地」。〈古きを感じ、新しきを生み出す「知の温泉場」〉というコンセプトの下、景観や施設を整備しまちづくりを進めました。
そして今では、湯河原の歴史ある温泉場には首都圏から多くの観光客が訪れるようになりました。さらに、観光客相手に地元の商店や事業者がおもてなしイベントを積極的に企画・開催するようになり、住民生活にも大変良い効果をもたらしているそうです。

43th アフタートーク

セミナーの後は、賑わい創研代表の松本大地とともにアフタートークで湯河原のまちづくりをさらに深掘り。旧建設省の公務員を経て、会社員時代から国内外のまちづくりに携わってきた中西さまのお話しは、まちづくりに取り組む人の参考書ともいえる大変貴重なセミナーとなりました。

会場にお越しいただいた皆さま、オンラインで参加くださった皆さま、ありがとうございました。